インタビュー:専門機関の治療と検査②

需要の変化にも対応し最適な治療の提供を目指す

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吉田センター長

まず当院がこのような呼吸器に専門的に力を入れる施設を開設した理由の一つとして、四日市ぜんそくという大きな公害病が、この土地で蔓延したという時代背景があります。そのためこの土地の健康を支える医療機関として、このようなぜんそくや呼吸器系で悩まれている患者様を助けたいという想いは強く心にあります。

インタビュー 最適な治療が患者様に届けられるよう、スタッフの教育・専門医の確保、設備の充実にも力をいれています。特に、重度のぜんそくの症状を抱えられている方を対象にした治療法である気管支サーモプラスティ(BT)は、県内でもいち早く導入しました。重症ぜんそくで内服や注射のステロイドを必要とする患者様は減ってきました。それぞれの患者様にとって、最も良い治療が提供できるよう、日々取り組んでいきたいと思います。

 

鈴木副センター長

呼吸器内科・呼吸器外科がお互い連携しながら治療を提供しています。例えば、死亡者数の多い肺がんと診断された場合は、手術は呼吸器外科の領域になり、情報などを共有して迅速な対応を行なっています。先日、当院へ導入した手術支援ロボットの積極的な活用を考えており、今年の10月〜11月ごろには呼吸器外科でも初症例を予定しています。また県内でも対応可能な呼吸器外科が少ない膿胸にも力を入れています。膿胸とは、膿が混じった水が胸腔内に溜まる疾患で、原因の大半は肺炎です。そのため高齢化が進む近年では治療の需要が増加しています。また、高齢者が発症した場合の死亡率は高く、いかに早期段階で発見できるのかが鍵となっています。わたしは以前より、膿胸の治療について取り組んでおり、当院のスタッフとともに対応できる環境を整えています。高齢になると、体調不良や発熱などの変化が自身を含め周りも気付きにくい傾向にありますので、定期的な検温や普段との様子の違いに注目してもらいたいです。

 

地域の呼吸器疾患の治療はお任せください。

立ち絵吉田センター長

実は、健康診断で胸部に異常が見られた後、専門施設で二次検診を受けられる方は多くありません。そのため肺がんの発見が遅れたケースも数多くあります。何かおかしいと感じた場合や異常があると診断された場合は、必ず専門機関への受診をお願いします。秋から冬にかけて寒い季節が到来しますが、冷たい空気はぜんそくに影響を及ぼすため発作が起こりやすい時期となります。その他、北勢呼吸器センターでは、COPDや呼吸リハビリテーションなどに幅広く対応しておりますので、悩みを抱えておられる方は一度ご相談ください。

 

インタビュー・撮影/2019年8月7日(水)