北勢呼吸器センター

北勢呼吸器センター

 当院では、北勢呼吸器センターを設置しています。北勢呼吸器センター長からのごあいさつ、業務内容、設備・スタッフ、ご予約、ご紹介については、以下のリンクを参照してください。

ごあいさつ

吉田 正道

診療部長 兼 北勢呼吸器センター長 兼 呼吸器内科部長 兼 化学療法室長  吉田 正道

北勢呼吸器センターの役割

 北勢呼吸器センターの現在の役割は、当院の呼吸器内科医・外科医をはじめとする各分野の専門スタッフが一丸となり、呼吸器疾患の先進的・高度な専門治療に取り組むこと、また北勢地区の患者さんや地域かかりつけ医の先生方のバックアップを行うことです。また当院は三次救急の病院でもあり、救急疾患への対応も役割の1つです。

増加する肺がんへの対応

 肺がんによる死亡者数は非常に増えています。北勢呼吸器センターは地域の開業医と連携し、二次検診によって肺がんの早期発見に力を入れ、発見後は積極的治療に取り組んでおります。肺がんの治療には、手術、放射線治療、抗がん剤治療などを行っておりますが、80歳を超える超高齢者の肺がん患者が急増しており、がんと闘うのではなく症状を和らげる緩和治療にも力を入れております。

ぜんそくに対する先進的治療 (気管支サーモプラスティ(BT))

 当院が立地する地域では「四日市ぜんそく」が非常に有名ですが、当院も開設時よりぜんそくの治療を命題の1つとして力を入れてきました。現在は吸入ステロイドという薬によって、中軽症であれば大半の方が改善するようになりましたが、中には通常の治療をしていてもよくならない患者さんもいます。そういった重症のぜんそく患者さんに対しての治療として、三重県内の医療機関で初めて気管支サーモプラスティ(BT)療法を導入しました。

 治療実績も三重県では当院が最も多く、東海地区でも5本の指に入る件数をこなしてきております。長年薬物治療を行ってきても発作が治まらず苦しい思いをされてきた方の中には気管支サーモプラスティを行うことでほとんど発作が出なくなった方もおり、良い治療だと自信をもってすすめることができます。また、三重県南部の方からも「ホームページを見てこの治療に興味を持った」と言ってきてくれる患者さんもいます。

 特に、あらゆる手を尽くしてもぜんそくが良くならない場合は効果が期待できます。

気管支内視鏡の苦痛緩和への取り組み

 「気管支内視鏡は苦しいので嫌」という声をよく聞きますが、それは症例が少なく気管支内視鏡に習熟していない医者が多いためと考えられます。北勢呼吸器センターでは年間400件近くの気管支内視鏡検査が行われておりますので、習熟度が高い医師が多く、若手医師も訓練人形で十分に練習するなどの段階を踏んだ研修を行っております。また、痛みを和らげるためには麻酔をしっかりと行うことも大切です。患者さんからは「喉の麻酔は少し大変だったが、検査中は胃カメラより楽だった」という声を多くいただいております。

 また、気管支内視鏡検査は麻酔の関係で、入院が必要な病院も多いですが、当院では日帰り検査が可能です。

三重県の呼吸器診療の向上のために

 呼吸器内科を開設した平成15年当初から若手医師の教育に力を入れてきましたので、現在三重県内の呼吸器科医師の約半数は、当院での勤務経験があります。当院の研修で力をつけた医師が地域の病院で力になれれば、三重県全体の呼吸器診療の向上につながり、呼吸器疾患に苦しむ患者さんのお役に立てるものと考えています。

地域かかりつけ医の先生方へ

 北勢地区の呼吸器診療は当院にお任せください。困った症例があればどんどん紹介していただければ、バックアップします。

 また、健康診断時の胸部レントゲン撮影等で異常があれば、ぜひ北勢呼吸器センターでの二次検診をおすすめください。

北勢呼吸器センターの業務案内

業務概要

 北勢呼吸器センターは、「呼吸器疾患に対して、院内に専門的な医療ができる体制が確立した病院である」ということを地域の皆様に知ってもらいたい、「北勢地区の呼吸器診療の拠点を目指す」という思いを込め、平成27年10月に開設しました。

 呼吸器内科と呼吸器外科の専門医が連携し、呼吸器疾患を総合的に診療しています。 内科治療から外科手術に至るまで一貫した、専門的な治療を行います。現在、呼吸器内科医5名、呼吸器外科医3名の8名が常勤する県内でもトップクラスの人員を誇っております。

特長

気管支サーモプラスティ(BT)

 気管支内視鏡を使った身体への負担の少ない治療法で、温めると縮小するという筋肉の性質を利用し、鼻や口から入れた気管支内視鏡の先端から電極の付いたカテーテルを出し、気管支の内側を65℃に温めて、炎症で肥大した気管支の周りの筋肉を薄くして、空気の通り道を広げ、収縮反応(発作)を起こりにくくするものです。

 治療にあたっては、気管支全体を右肺下部、左肺下部、左右肺上部の3回に分け、それぞれ短期間(3泊4日程度)の入院で行い、治療と治療の間隔はそれぞれ3週間以上空ける必要があります。

治療対象

 薬物治療を適切に続けても喘息の発作を抑えることが難しい18歳以上の患者さん

※専門医の判断が必要になりますので、詳しくはご相談ください。

呼吸リハビリテーション

 呼吸リハビリテーションは、病院での酸素吸入や薬物療法などの外的な治療とは異なり、体を内側から改善していく運動療法の一つです。

 呼吸に関わる筋力の向上や、足腰の筋力強化、胸郭や呼吸に必要な筋肉の柔軟性保持・改善を図り、リハビリテーションを理学療法士の指導の下に行います。

 週2~3回の外来通院が基本ですが、2週間入院による短期集中呼吸リハビリテーションも行っております。

治療対象

 COPD(慢性閉塞性肺疾)などにより息切れがひどい高齢患者

対応疾患

 肺がん、肺炎、気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾)、特発性肺腺維症、気胸、膿胸、横隔リンパ節腫大、胸水貯留、急性呼吸不全など

設備・スタッフ

設備・医療機器

呼気NO検査

 吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定して、気管支にアレルギーがあるかどうかを評価します。

モストグラフ

 数秒間安静呼吸をしたときの、呼吸抵抗の 変化を 3D グラフで表示したものです。 検査を受ける方に、普通に呼吸していただくだけで評価ができます。

体制・スタッフ

吉田 正道

診療部長 兼 北勢呼吸器センター長 兼 呼吸器内科部長 兼 化学療法室長  吉田 正道 (ヨシダ マサミチ)

平成3年医学部卒業

認定資格

・日本内科学会認定医/指導医、総合内科専門医
・日本呼吸器学会専門医/指導医
・日本アレルギー学会専門医/暫定指導医
・日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医/指導医
・日本がん治療認定医機構がん治療認定医/暫定教育医

鈴木 仁之

呼吸器外科部長 兼 心臓血管外科医長 兼 北勢呼吸器センター副センター長 兼 ロボット手術センター副センター長鈴木 仁之 (スズキ ヒトシ)

昭和63年医学部卒業

認定資格

・日本外科学会専門医/指導医
・日本胸部外科学会指導医
・心臓血管外科専門医/修練指導者
・呼吸器外科専門医、日本呼吸器外科学会評議員
・臨床研修指導医
・三重大学医学部臨床教授/医学博士

庄村 心

医長庄村 心 (ショウムラ シン)

平成14年医学部卒業

認定資格

・日本外科学会専門医
・呼吸器外科専門医、日本呼吸器外科学会評議員

医長藤原 篤司 (フジワラ アツシ)

平成15年医学部卒業

認定資格

・日本内科学会認定医/指導医、総合内科専門医
・日本呼吸器学会専門医・指導医
・日本アレルギー学会専門医
・日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医
・日本がん治療認定医機構がん治療認定医

児玉 秀治 (コダマ シュウジ)

平成24年医学部卒業

認定資格

・日本内科学会認定医
・日本呼吸器学会専門医
・日本緩和医療学会緩和医療認定医

後藤 広樹 (ゴトウ ヒロキ)

平成28年医学部卒業

認定資格

・日本内科学会内科専門医

三木 寛登 (ミキ ヒロト)

平成29年医学部卒業

認定資格

日本内科学会内科専門医

伊藤 大介 (イトウ ダイスケ)

令和2年医学部卒業

ご予約・ご紹介

患者のみなさまへ

 北勢呼吸器センターは、健診の結果等によって、医療機関の受診が必要とされた患者さん・ご家族からも地域支援課にて、直接診察予約をお取りいただけます。

二次検診予約電話

 地域連携課(かけはし):059-347-3519

 ※「検診のレントゲンで異常が見つかった」とお電話ください。

地域かかりつけ医の先生方へ

お問い合わせ:059-347-3519(地域連携課直通)

 ※サーモプラスティ関連は、火曜…吉田、水曜…藤原の外来まで 

注意事項・お願い

  1. 気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの慢性疾患については、その増悪時には管理・治療を行いますが、急性期を過ぎれば地域の開業医さんを紹介させていただいておりますので、ご理解をお願いいたします。
  2. 当院には結核病棟がありませんので、排菌性結核の方は他病院を紹介させていただくことになります。
  3. 睡眠時無呼吸症候群に関しては、検査機器の関係でスクリーニング検査しか行っていません。
  4. 禁煙外来は開設していません。
  5. 訪問診療はおこなっていません。