部門の紹介/中央検査部
細菌検査
細菌検査とは、感染症(食中毒、髄膜炎、肺炎など)を発症または疑いのある患者さまの検体(喀痰、尿、便、血液、髄液、膿など)から原因菌(起炎菌)を検出し、菌名の決定(同定)と、どの薬(抗生物質)が効くのか(薬剤感受性検査)を調べる検査です。
細菌検査室
(1)培養と薬剤感受性検査
患者さんから提出された検体には無菌検体(本来なら細菌は存在しない:髄液、血液など)と常在菌のいる検体(多数の菌が存在:喀痰、便など)があります。これらの検体を培地(※1)に塗布し、24~48時間培養し病原性の疑いのある菌を検出します。ここでは喀痰、便を例に紹介します。喀痰、便を培地に塗布し、24~48時間培養すると写真(1)(2)のように細菌がコロニー(※2)を形成します。
※1培地:細菌を増殖させるために適当な栄養素を含んだ液または固形のもの。
※2コロニー:培地上に発育し1種の菌からなる発育集団のこと。
培地より病原性を疑うコロニーを探し、菌名の同定と薬剤感受性検査を行います。
検査は通常3日~1週間くらいで報告が完了します。
(2)24時間対応検査
ウイルス感染症の検査
- インフルエンザウイルス抗原検査:鼻腔分泌物で、インフルエンザウイルス感染かどうかを調べる検査
- RSウイルス抗原検査: 鼻腔分泌物で、RSウイルス感染かどうかを調べる検査
- ノロウイルス抗原検査:便で、ノロウイルス感染かどうかを調べる検査
- ロタウイルス抗原検査:便で、ロタウイルス感染かどうかを調べる検査
- アデノウイルス抗原検査:便で、アデノウイルス感染かどうかを調べる検査
細菌感染症の検査
- 病原性大腸菌O157抗原迅速検査:便で、病原性大腸菌O157感染かどうかを調べる検査
- 尿中肺炎球菌抗原検査:尿で、肺炎球菌による肺炎あるいは敗血症かどうかを調べる検査
- 尿中レジオネラ抗原検査:尿で、レジオネラ菌による肺炎あるいは敗血症かどうかを調べる検査
- 血中マイコプラズマ抗体検査:血液でマイコプラズマ肺炎を調べる検査
- 喀痰中の結核菌の塗沫検査:喀痰を特殊な染色液で染め、抗酸菌(結核菌等)感染の有無を調べる検査
- 髄液中の塗抹検査:髄液を特殊な染色液で染め、細菌感染の有無を調べる検査
(3)チーム医療としての活動
院では、医師・看護師・薬剤師・細菌検査技師・事務員からなるICT(Infection Control Team:感染対策チーム)を設け、院内感染対策に力を注いでいます。