診療科のご案内

外科のご紹介

診療のご案内

はじめに

常勤8人、後期研修医3人で消化器疾患、乳腺疾患、外科系救急の診療に携わり、平成24年の手術場使用の全手術症例は621例となっています。

診療方針・特徴

 当科の消化器がん、乳がんの臨床は各種のがん治療ガイドラインに準拠しながら個別の病態に適した治療も取り入れています。
その中でも直腸がんは集学的治療が発展している分野であり、三重大学消化管・小児外科学との連携し、当院の放射線治療医の指導のもと、術前化学放射線療 法を施行し癌腫を縮小させ、局所再発の軽減をはかり肛門をなるべく温存する治療を実施しています。肛門括約筋の温存術(ISR)も癌の位置や大きさ、深達 度により実施しています。術後はエビデンスに則った補助化学療法を施行しています。

食道がん、胃がん、大腸がん、胆石症、虫垂炎、腸閉塞、鼠径ヘルニアを対象に、腹腔鏡下手術を積極的に行っており、食道がん、早期胃がん、大腸がん、胆 石症、虫垂炎、鼠径ヘルニアは第1選択が腹腔鏡下(鏡視下)手術です。消化管がんのうち早期がんでは消化器内科と密接に連携し内視鏡治療(EMR, ESD)の適応症例を術前検討しています。胆嚢炎では、炎症の程度、開腹の既往の有無にかかわらず全例腹腔鏡下手術の適応としながら、開腹移行率は1%前 後と良好な結果をおさめています。虫垂炎の腹腔鏡下虫垂切除は、在院日数の短縮のみならず遺残膿瘍、創感染の軽減などの大きなメリットを認め小児にも実施 しています。鼠径ヘルニアの腹腔鏡下手術は術後疼痛や鼠径部腫脹が少なく大変好評です。

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上部消化管について

食道

 当科における食道手術のほとんどは食道がん手術です。食道がんは喫煙と飲酒が大きな原因と言われています。食道粘膜のごく浅い所にとどまるがんの場合は内視鏡で切除も可能ですが、その他のほとんどの方が手術治療の対象となります。
食道がん患者の大半は長年喫煙されてきた方たちです。よって、喫煙によってもともと肺の機能が悪くなっている場合が多く、これまでの大きく胸をあける手術では術後肺炎の頻度も多かったため、食道がん手術は非常に大きな負担となっておりました。当科では2009年から胸腔鏡を用いた、体に負担の少ない鏡視下食道手術を導入し、現在ほぼすべての方に対してこの手術を行っております。このため、術後肺合併症の頻度は非常に少なく、より安全に手術を行えるようになっています。
また、さまざまな理由により手術を選択できない場合においては、抗がん剤と放射線を組み合わせた治療も行っております。

 胃がんは、依然として国内におけるがんの部位別死亡原因、罹患率とも上位を占める、現在でも最も起こりえるがんの1つと言えます。当科における胃がん手術は、早期胃がんの方に対しては、体に負担の少ない腹腔鏡手術を、非常に進行した胃がんの方に対しても術前術後の化学療法を組み合わせてより根治性を高める集学的治療を行っております。
 腹腔鏡下胃切除は当科では2001年より早期胃がんの方を対象として導入しております。体に5か所の小さな(5mmおよび12mm)と、1か所の4-5cmの小さな切開創で行い、術後の痛みなど、負担も小さくて済みます。さらに2012年からは、再建も体の中で行う完全腹腔鏡下手術も導入し、小切開創すらなく非常に負担の小さい手術も導入しております。
 スキルス胃がんや、がんが周りの臓器に浸潤して取りきれない状態などの理由で根治的な手術が行える見込みの少ない方に対しては、手術前に抗がん剤治療を行ってがん細胞を小さくし、根治的な手術を目指す集学的治療も積極的に行っております。

当院における胃がんステージ別5年生存率

十二指腸

 ひどい潰瘍のために十二指腸にあながあいてしまう十二指腸潰瘍穿孔の方に対し、全身状態が重篤でなければ腹腔鏡を用いた、傷が小さく体に負担の少ない手術を積極的に行っております。また、あながあいていても比較的軽症の方には手術をせずに治す方法も選択しております。胃潰瘍穿孔の場合も、十二指腸と同様の方針で治療を行っております。

下部消化管について

大腸がん

 大腸癌は近年、食生活の欧米化に伴い、罹患率、死亡率ともに増加の傾向が見られます。大腸がんの罹患数は男性では胃がんに続き2位、女性でも乳がんに続き2位となっており、男性では12人に1人、女性では15人に1人が罹るがんということになります。
 大腸がんは早期に治療を行うことにより完治する可能性が高く、また、進行して見つかってしまっても、切除や化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法を組み合わせるといった集学的治療を行うことにより、根治性(完全に治すこと)を高めたり、予後を改善することができるがんです。次から、当院で行っている大腸癌治療の特色についてご紹介いたします。

内視鏡治療

大腸癌は早期に発見することにより、内視鏡下に切除することが可能です。当院では拡大内視鏡を取り入れており、早期の大腸がんでは表面の構造を観察することにより、内視鏡下に切除が可能か、手術が必要かを判断します。内視鏡下に切除が可能であると判断した場合は、消化器内科との連携のもと、EMR(内視鏡下粘膜切除術)、ESD(内視鏡下粘膜下剥離術)といった方法を用いてがんを切除します。

腹腔鏡下手術

 早期がんでも内視鏡下に切除できない場合や、内視鏡下に切除したが追加で手術が必要な場合、内視鏡下には切除できないような進行がんの場合はがんを含めた大腸を外科的に切除する必要があります。現在では、大腸がんに対する外科的手術は腹腔鏡下に行うのが一般的になってきており、当院でもいち早く腹腔鏡下の手術を取り入れており、大腸がんの手術に対しては基本的に腹腔鏡下手術を行うようにしています。腹腔鏡下手術では、体に4か所の小さな穴(5mmおよび12mm)と、1か所の4-5cmの小さな切開創を作成するのみで手術を行うため、術後の痛みが軽く、腸の動き出すまで時間が早く、回復が早まり、体への負担も小さくて済むといった利点があります。

当院における腹腔鏡手術の割合

直腸がんに対する治療

 大腸のうち、最後の20cmほどの部分は直腸と呼ばれます。その中でもさらに、肛門から5~6cmの部分は下部直腸と呼ばれ、直腸の周囲に肛門括約筋という排便をコントロールする筋肉が付着しています。この部分にがんができると、肛門括約筋を一緒に切除しないといけない場合があり、この場合、排便のコントロールができなくなるため、永久人工肛門としなくてはいけません。こうしたがんに対し、当院では、括約筋の一部を温存してがんを切除することにより、肛門の機能を残すという手術を行っています。また、下部直腸がんに対しては手術前に化学放射線療法(抗がん剤を加えて放射線治療を行う)を行うことにより、局所再発(切除した部分での再発)や肛門の機能を残す割合を高める工夫を取っています。

内括約筋切除術

進行再発大腸がんに対する集学的治療

 大腸がんは見つかったときにすでに他の臓器に転移が起こってしまっていたり、手術でがんは取りきれても、その後に再発を起こしてしまうことがあります。そうした場合、切除や化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法を組み合わせるといった集学的治療を行って根治性(完全に治すこと)を高めたり、予後を改善することに努めています。当院では、常に最新の化学療法を取り入れ、適切なタイミングでの切除を取り入れることにより根治性を高める努力を行っています。

当院における進行度別大腸癌5年生存率

肝胆膵について

 肝・胆・膵領域では、主に肝癌、胆嚢癌、胆管癌、膵癌といった悪性腫瘍と、胆石症、急性・慢性膵炎、膵良性腫瘍、門脈圧亢進症による脾腫等の良性疾患に対する治療を行っています。
 肝癌の治療法には手術や体外から行う凝固焼灼療法や血管を介する治療法など、多くの治療法があります。消化器内科医と協力のもと複数の治療を選択し、切除率を上げ、生存率の向上に努めています。腹腔鏡下肝切除も適応を選択しつつ行っています。また転移性肝癌(大腸癌の肝転移など)に対しても、外科的切除と化学療法(抗がん剤)の併用により良好な成績が期待できます。
 膵臓癌、胆管癌は、手術が唯一治癒を期待できる治療法です。しかし、これらの癌の悪性度は高く、治療に難渋する場合も多々あります。抗がん剤による化学療法、放射線治療、外科的切除、またはそれらを組み合わせる集約的治療により治癒切除率の向上を目指しています
 良性疾患の代表的な胆石症に対しては、上腹部の手術歴があり、腹腔鏡下手術が困難と予想される患者様に対しても、全例腹腔鏡下手術を施行しています。その中でも開腹移行例も1%以下と大変良好な成績を治めています。また総胆管結石に対しては、原則としては消化器内科医のもとで治療が行われますが、内科的治療困難例に関しては、全例腹腔鏡下に治療を行っています。

 転移性肝がん治療について説明します。
 大腸がんの肝転移切除後の5年生存率は一般に30-50%です。現在最も治療成績が良い治療は肝切除とされています。しかし、転移の広がりが著しいために切除できない方が多いのも現実です。一方大腸がんに対する抗がん剤治療の進歩は著しいものがあります。従来ならば肝転移を含めた全ての大腸がんが切除できない患者さんに対して、まず抗がん剤治療を行い、腫瘍を縮小させたのちに、肝切除を行うことにより良好な成績を期待しています。

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抗がん剤投与により腫瘍が縮小

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腫瘍縮小後縮小

乳がん診療について

 乳がん診療では、乳腺専門外来を週3回設け三重大学乳腺外科の関連施設として指導をうけながら乳房温存療法、センチネルリンパ節生検による腋窩リンパ節郭清省略を実施しQOL向上に貢献しています。さらに、術前化学療法により乳房温存率を向上させています。

抗がん剤治療について

 抗がん剤治療は、外来化学療法室にて原則通院で施行可能で、各癌腫の術後(前)化学療法のほか、進行再発がんに対するQOL改善、延命を目指す治療を行っています。
院内では、月1回の化学療法の安全運営会議をもち、治療レジメンの吟味・処方内容の院内統一を行い、安全管理システムと適切な支持療法のもとに実施されています。

乳腺外来について

はじめに

 私たちは、乳癌のみならず、良性腫瘍や乳腺症など、乳腺の様々な病気の診断と治療を行っています。乳癌については、女性では最も罹患率の高い癌であり、40歳代から50歳代の発症が多いことが特徴です。当院では、乳癌診療ガイドラインに沿った診療を行っており、診断から手術、薬物療法、放射線療法、緩和医療などを一貫して行っています。近隣地域の診療所や病院とも連携し、患者様によりよい医療を提供できるよう努めています。

診療内容

 診断では、マンモグラフィ、乳腺エコー、細胞診、針生検、エコーガイド下吸引式組織生検(バコラ生検)、ステレオガイド下マンモトーム生検、乳腺MRI、乳管造影などを行っています。常勤病理医による迅速な診断が可能です。
 手術療法では、乳房温存療法を多く行っており、病巣の完全切除と、残る乳腺の形態に配慮した手術を行っています。センチネルリンパ節生検も行っており、正診率の高い、放射性同位元素と色素法を併用した方法をとっています。
化学療法が必要な方には、外来化学療法室が完備されており、専任のスタッフにより化学療法を行っています。

受診希望の方へ

 乳腺外来は予約制で、月曜日、水曜日、金曜日の午後1時30分から行っています。
以下のような方を対象としています。

1)乳房や乳頭、脇の下に腫瘤・分泌など異常を発見した人
2)「一次検診」で「精密検査を要する」といわれた人
3)かかりつけ医に受診をすすめられた人

 予約の受付は、平日9時~17時です。当院受付に電話(059-345-2321)し、「外科外来で乳腺外来の予約をしたい」といってください。マンモグラフィを持参していただくと、当院での撮影を省略できることがあります。 妊娠中、授乳中のかたは申し出てください。

緩和ケアについて

 当院では、がんなどの病気で治療中の患者さん、ご家族が安心して生活を送れるように支援する「緩和ケアチーム」を平成16年より立ち上げ、平成17年より緩和ケア外来を行っています。
 がんそのものの治療だけでなく、それに伴う痛み、倦怠感などのさまざま症状、落ち込み、悲しみなどの精神的な苦痛、せまりくる「死」への恐怖、自分の「人生」に対する問いなどの苦痛を取り除き、患者さんとご家族にとって自分らしい生活を送れるようにするための医療を提供しています。
 平成25年現在常勤医師1名、非常勤医師2名、認定看護師1名、薬剤師、臨床心理士、医療ソーシャルワーカー、栄養士、理学療法士で構成されたチームで活動を行っています。

活動内容

 入院中の患者さんには現在治療中の診療科より依頼を受け、コンサルテーション活動を行っています。毎週2回各病棟を回診し、主治医、担当医、病棟スタッフと連携を図り患者さんや家族にとってより良い状況で治療が行えるよう支援しています。
また患者さん、ご家族のご希望があれば緩和ケア外来を受診することができますので、病院1階がんサポート室、または病棟スタッフにお気軽に相談して下さい。

 外来の患者さんは診療時期に関わらず、からだや気持ちの苦痛を感じた時から受診していただくことが可能です。外来受診時に紹介状は必要ではありません。また、患者さんやご家族の希望に応じ地域連携支援センターと協力し在宅支援やホスピスの紹介も行います。
 他院通院中の患者さん、ご家族で受診希望の方もがんサポート室、外来スタッフに要望をお伝え下さい。

 緩和ケア外来は完全予約制ですので、受診を希望される方は外来スタッフにご連絡下さい。診察状況によっては当日予約も可能です。

小児外科について

 小児外科分野では、週1回、三重大学小児外科医師により小児外科専門外来が開設されており、小児医療の向上に努めています。

救急分野について

 当院救急外来は、主に二次、三次救急患者の受け入れ、治療を行うことを目的としておりますが、現実には一次救急患者も含めた多くの救急患者の診療を行っています。カバーする地域は四日市地区にとどまらず、桑名、いなべから鈴鹿、津さらには伊賀、名張、新名神高速道路開通により、滋賀県にいたるまで広範囲にわたっております。
 当院救命救急センターは、3次救急に指定されており、各科協力して、救急対応にあたっています。その中でも、外科の果たしている役割は大きいのが実情です。
 当院は、四日市地区はもちろんのこと、三重県の基幹災害拠点病院としての役割も担っている当院の性格から、地震や台風などの自然災害、列車事故や爆発事故などの大規模災害に対する対応を常に心がけて、訓練や職員の指導の中心的役割も担っております。
 昨年度は日本DMAT研修に参加し、大規模災害時におけるDMATチーム(災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム)が、2チームできました。今後もさらにこれら大規模災害にそなえてのスタッフのトレーニングを積み重ねていく予定です。

 尚、当病院は日本救急医学会救急科専門医指定施設に指定されており、多数の臨床研修医、後期研修医、救急救命士の研修施設としてもその役割を果たしております。

 当センターは主に迅速な対応を求められ、また重篤な病態を呈する患者の皆様を中心に診療を行っています。また診療科の枠を超えた、集学的な治療をしないと救命できない中毒や多発外傷等にも対応しています。

主疾患(悪性疾患)を含む治癒成績

5年生存率を作成中です。しばらくお待ちください。

主疾患治療プロトコール

主疾患治療プロトコール(クリニカルパスによる術後入院期間)

胃癌 胃全摘術 術後14日間
幽門側胃切除術 術後12日間
大腸癌 大腸癌手術 術後10日間
乳癌手術 乳房切除又はリンパ節廓清を伴う手術 術後7日間
乳腺部分切除かつセンチネルリンパ節生検 術翌日退院(2泊3日)

来院される皆様へ

外来診療の受付 059-345-2321 午前8:30~午前11:30

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