人差し指ほどの太さの内視鏡を肛門から挿入し、大腸をまんべんなく観察します。場合により腸の動きを抑える薬を注射します。盲腸到達まで30分程度ですが、大腸が長い場合・憩室が多発している場合・開腹術後で大腸が癒着している場合・便が残っている場合などでは検査が困難なこともあり、検査に長時間を要したり、痛みを伴うことがあります。痛みが強い場合は穿孔(穴があくこと)の危険があり、検査を中断し、必要なら注腸検査に変更することもあります。ご希望によっては検査に際して少量の鎮痛剤を使用させていただきます。また、必要に応じて組織を少し採取(生検)して顕微鏡で調べることによりさらに正確な診断を行います(病理組織検査)。生検に痛みをともなうことはありません。
大腸内視鏡では、便が残っているとスムーズに検査が進まなかったり、正確な結果が得られない事があります。そのため以下のことを守ってください。
2~3日前より消化のよいものを食べてください。
※検査当日、500mlのお茶・水・紅茶(ミルク・砂糖なしのもの)いずれか2本を必ずお持ちください。
※現在、薬を服用中の患者様は当日の朝の内服は主治医の先生にご相談ください。
※腸管洗浄液を飲んでいただいた後、下痢をしますので、ご心配な方は万が一に備えて、着替えや紙オムツ等をご持参ください。
精密な検査ほど偶発症の頻度が増加します。前処置薬(鎮痛剤)によるショック・呼吸抑制・心停止や検査時の出血、消化管穿孔(穴があくこと)が報告されています。この検査に伴う偶発症の発生頻度は0.069%(1450人に一人)、死亡頻度は0.00088%(約12万人に一人)と報告されています。万一、偶発症が発生した場合には開腹手術など外科的処置を含めた最善の処置を致します。